抄録
本報告では、2007 年能登半島地震時に被災地域の緊急輸送道路が十分機能しなかった事実を教訓として、緊急輸送道路の最大活用、長寿命化および維持管理の高度化・効率化を図るため、既存の道路管理情報を統合化し、地理情報とともに表示する機能をもつ維持管理システムを構築した。そこでは、緊急輸送道路の整備計画や災害状況の迅速で的確な把握、および通行規制などを支援できるデータプラットホームが確保できた。このシステムの支援機能として、石川県奥能登地域の緊急輸送道路ネットワークを対象に、ネットワークの連結信頼度を指標とする道路構造物の耐震化整備優先度設定手法を検討し、地震災害に対して有効な整備方法を提案できることを示した。