2017 年 3 巻 2 号 p. A_1-A_10
近年注目を集める自動運転車 (ADV) の実用化は,人々の外出行動を変化させる効果が見込まれる.本研究では,ADV 利用に伴う個人の外出行動の目的ごとの外出頻度や目的地の変化(行動変化)に着目し, ①どのような外出目的において変化が生じやすいか,②どのような属性を持つ個人は変化が生じやすいか の 2 つの観点から分析を行った.主な結果として,1)通院や買物と比較して,観光等や社交・娯楽といった余暇活動において行動変化が生じやすい.2)運転者と比較して非運転者の方が行動変化が生じや すい.3)男性と比較して女性の方が行動変化が生じやすい. 4)自分の運転に対して不安を感じている非運転者は,通院および食料品等買物における目的地の変化が生じやすい.5)観光等の外出頻度は単身世帯において増加しやすい等の傾向が明らかとなった.