2017 年 3 巻 2 号 p. A_116-A_124
本研究では、幅員の異なる路肩と自転車専用通行帯において自転車走行実験を実施し、自動車交通が自転車利用者の意識と走行挙動に及ぼす影響について分析した。まず、走行が不安と回答した被験者が 一定割合存在した路肩幅員 1.0m のケースや自転車専用通行帯の幅員 1.85m のケースにおいて、幅員の狭さだけでなく、走行中の自動車との距離の近さや駐車車両が不安の原因として挙げられることがわかった。そこで、これらの要因と自転車走行挙動の関係について分析し、自動車交通の影響を明らかにした。また、安心・不安の意識と走行挙動の関係について分析し、安心して走行する被験者と不安を感じながら走行する被験者の走行挙動特性を明らかにし、その結果を踏まえて安心面に配慮した自転車専用通行帯を整備していく上での課題について検討した。