2017 年 3 巻 2 号 p. A_280-A_286
過疎地域における持続可能な社会のしくみを考える際、サービスの供給者が専業ではなく兼業によって、限られた労力で多くの機能を担い、地域を支えていくことが必要である。本研究では、地方のタクシー業者に注目し、タクシー運転手が本業の傍らに集落を巡回して何らかの生活支援サービスを行うことを想定して、本業に付随した生活支援サービスがどの程度供給可能であるのかを簡易的に分析するための方法論を時空間プリズムの概念を援用して構築する。その上で、実際のタクシーの賃走履歴データを用いた分析を通して、付随的なサービスの供給可能性を明らかにしうることを実証的に示す。