2018 年 4 巻 1 号 p. A_138-A_146
本研究では、車道端部における路面構造の異なる自転車走行空間を対象に自転車走行実験を実施し、側溝のエプロン幅が自転車利用者の意識や挙動に及ぼす影響について走行空間の幅員や交通状況を加味しつつ分析を行った。まず、走行時の意識については、幅員 1.15m であればエプロン幅が狭くなると有意に安心感が向上する傾向がみられた。また、走行時には特に走行空間の幅員に対して意識を向けている傾向もみられたことから、その影響について挙動面からも分析をおこなった。その結果、自転車走行空間の幅員によらず、エプロン幅の広い標準構造区間に比べ、エプロン幅の狭い省スペース構造区間のほうが走行空間をより広く活用しており、かつ、幅員 1.3m 及び 1.5m 程度であれば自動車からの追い越されに対しては走行空間内の歩道に近い側へと退避する傾向がみてとれた。