2018 年 4 巻 1 号 p. A_229-A_237
2016 年に国土交通省から物理的デバイスの指針が示された。このうち、単路部ハンプは、詳細な寸法等が示された一方で、交差点内に設置するハンプは、隅切り部についての検討が十分とは言えない。本研究では、歩道のない交差点の内部にハンプを設置する際の形状について、バリアフリーの観点から検証するとともに、交通静穏化への有効性について検討した。 本研究では、交差点ハンプの隅切り部の横断勾配に関する検討を行い、敷地内実験を実施した後、さいたま市道における社会実験を行った。その結果、車椅子利用者は、交差点ハンプの隅切り部を通行する際にハンプを障害と感じる可能性が見られた。自動車の速度を抑制する効果は確認され、騒音・振動による周辺環境への悪影響や、対象交差点の一時停止挙動に対しての悪影響がないことが確認された。