2020 年 6 巻 2 号 p. A_166-A_174
東京都内における全交通事故に占める自転車関与事故の割合は4割近くとなり,増加傾向を示している.そこで,本研究では自転車関与事故の実態を把握するために,都内の代表交差点 58 地点を対象に自転車関与事故と交通曝露量の関係性を分析する.具体的には,自転車・自動車交通流観測データ,交通事故データおよび交差点形状データを用いて交差点単位で一般化線形混合モデルにより分析を行った.その結果,自転車関与事故の曝露量として主道路側から従道路側へ右左折する自動車交通量,自転車交通量と自転車関与事故が有意に関連することを示した.自動車交通量では主道路側の左折需要が10% 増加した場合,事故件数期待値は約 3.6%,右折需要では約 7.4% 増加することを示した.また,自転車交通需要が 10% 増加した場合,期待値は約 3.8% 上昇することを示した.