2020 年 6 巻 2 号 p. B_46-B_53
地方都市の中心市街地では自動車は重要な来訪手段の一つである。中心市街地の駐車場の利用実態を分析することで、まちづくりの実務に活用できる可能性がある。本稿では、駐車場利用実態等を分析することで、駐車場運営の効率化や中心市街地活性化の観点から、それらの課題と取るべき対策の方向性を得ることを目的とする。駐車場利用実態等の分析により、駐車場利用者の6 割程度は駐車場が付属する施設を利用しており他の施設を利用しないこと、中心市街地近隣でJ リーグの試合が開催される際の駐車場入出庫台数の時間変動が中心市街地の歩行者通行量の時間変動と異なることなどを示した。以上より、駐車場利用実態や複数のデータを組み合わせて分析することで、駐車場運営の効率化や中心市街地活性化の検討に資する知見が得られることを確認した。