近年、画像センシング技術の精度向上により、全車両を対象に、車間距離情報も含む走行軌跡データの大量生成が可能になりつつある。同データを活用すれば、これまで困難だった交通事象の発生メカニズムの統計的な把握が可能となり、新たな交通施策の創出も期待される。 そこで、阪神高速では、新たな高速道路ネットワークの建設が、今後一層難しくなることも見据え、交通流の円滑化を図る施策に着目し、近年技術向上が著しい車両制御技術が、将来その一役を担う可能性に期待し、現在、円滑な交通流を阻害している交通事象の発生メカニズムを統計的に把握することを通じて、その原因となり得る運転行動を評価し、その改善を促す施策の実現を模索している。 本稿は、そのファーストステップとして検討した運転行動の評価手法について報告するものである。