2021 年 7 巻 2 号 p. A_167-A_174
年齢別にみた歩行中の交通事故件数によると,7歳児が際だって多いことがわかっている.しかしながら,この要因については明らかにされているとは言いがたい.そこで,本研究では,交通事故データとパーソントリップ調査データとを組み合わせて,香川県と愛知県をケーススタディとして,子供の歩行中の交通事故と交通行動の関係性を明らかにした.その結果,年齢別でみると,香川県も愛知県も全国と同様の傾向を示していることがわかった.その上で,5歳から7歳にかけて,徒歩トリップ数が増加しているとともに,交通事故も増加しているが,事故率は年齢とともに減少していることがわかった.また,性別では,男女間に徒歩トリップ数の差異はみられなかったが,男児は女児に比べて交通事故件数が多く,男児の事故率が高いことがわかった.