2021 年 7 巻 2 号 p. A_254-A_262
現在整備の進む大深度地下の JCT では,比較的短い区間での分合流や急カーブの連続に加え,空間的制約の影響で,行き先案内情報が十分に提供されない可能性がある.この課題に対し,先行研究で,標識のみに依存しないカラー連携標示に着目し,この方法が運転者の進路認知を早める効果を確認した.しかし,この効果の要因,つまり運転者の情報視認,判断といった挙動の検討が課題であった.本稿で,この課題に取り組んだ結果,施設の連携,早期の進路認知への着色の寄与が明らかとなった.一方,慣れない状況では過度な注視を生じる可能性が示唆された.同時に,標識判読性向上を意図した標識矢印レイアウトの変更とカラー連携標示を組み合わせた場合の効果も分析した結果,目的地の表記された標識板の注視を促す効果が示唆された.