2021 年 7 巻 2 号 p. B_14-B_24
都市部の通勤時間帯の交通混雑に対する軽減策として,信号現示の変更による混雑緩和は現実的であるものの,予想通りの改善効果が得られない場合もある.近年,プローブデータの充実によりミクロな視点からの交通分析が可能になってきているが,本研究では,警察の実務者と大学の研究者が協働して,プローブデータとトラフィックカウンターデータを連携活用してミクロ交通流シミュレータの現況再現性能を高め,混雑軽減施策の効果を事前にシミュレータ上で定量評価する手法を提案する.本手法を岡山県道川入巌井線における信号交差点群に適用し,信号現示の改良効果の事前定量評価を行った上で改良施工した.さらに施工後の実走試験による実測結果とシミュレーションによる事前予測結果の定量的比較を行い,本手法の有効性を確認した.