2009 年 31 巻 2 号 p. 79-85
目的:発作性心房細動に対する電気的除細動直後の脳梗塞発症について,その背景因子と臨床像を検討した.
対象と方法:1995年4月から2003年11月の期間に,当院で発作性心房細動に対し電気的除細動を実施した連続768例.除細動後の脳梗塞発症群,非発症群とで比較を行った.
結果:9例(1.2%)で除細動後10日以内に脳梗塞が発症した.同期間中に脳梗塞を来さなかった759例から無作為に抽出した45例と比較した結果,除細動までの心房細動持続時間(OR 1.26,95%CI 1.03∼1.53)が,有意かつ独立した脳梗塞発症因子であった.
結論:脳梗塞合併予防のために,発作性心房細動に対する発症後早期の電気的除細動の必要性が示唆された.