脳卒中
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症例報告
構音障害のみを呈した内包後脚梗塞3 症例の臨床的検討
野村 誠藤倉 幹生東田 和博桶田 善彦尾野 精一
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2014 年 36 巻 1 号 p. 38-41

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抄録

要旨:内包後脚の梗塞では多くの症例で片麻痺を合併するためにpure dysarthria を呈する症例はきわめて少ない.今回内包後脚に限局した脳梗塞により構音障害のみを呈した3 症例を経験した.症例1は67 歳男性,症例2 は68 歳男性,症例3 は80 歳女性である.いずれも主訴は呂律障害で,神経学的には構音障害のみが認められた.頭部MRI 上症例1 は右内包後脚に,症例2 および3 は左内包後脚にそれぞれ限局した急性期梗塞がみられた.現在,皮質延髄路の内包における走行については膝部を通るものとするものと,後脚内で皮質脊髄路の前方を通るものとする説が議論されている.本3 症例の検討より皮質延髄路が膝部のみならず後脚内も走行しその障害によりpure dysarthria を呈したと考えられ,後者の見解に合致すると思われた.

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© 2014 日本脳卒中学会
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