2015 年 37 巻 4 号 p. 228-231
要旨:【目的】アンケート調査により一般市民の心房細動(AF)の認知度の実態について検討した.【方法】富山県脳卒中公開講座の参加者を対象にAF の認知度に関するアンケート調査を行った.アンケートの内容は① AF の認知の有無,②自己検脈の実施の有無,③ AF が脳梗塞の原因となることの認知の有無,④無症候性AF の認知の有無,⑤発作性AF の認知の有無,⑥ AF における脳梗塞予防薬の認知の有無とした.【結果】回答を得た168 人の解析を行った.AF を認知している割合は43%,AF が脳梗塞の原因になることを認知している割合は24%,AF における脳梗塞予防薬を認知している割合は11%といずれも低値であった.また,高齢者は非高齢者に比べ,AF や脳梗塞予防薬の認知が有意に低いことも明らかとなった.【結論】一般市民,特に高齢者におけるAF の認知度は低い現状にあるため,心原性脳塞栓症予防のためにも更なる啓発活動が必要である.