2019 年 41 巻 1 号 p. 36-39
近年,脳卒中急性期治療,予防学の進歩により,脳卒中の再発率,死亡率は年々減少してきているが,依然として脳卒中が要介護の最大の要因となっており,脳卒中生存者の長期的QOL の向上が望まれている.脳卒中生存者のQOL に関わる因子としては,脳卒中による失語や麻痺等のdisability に加え,認知障害,抑うつ,感染症などが挙げられる.それに加えて,脳卒中後てんかんはQOL に影響する重要な合併症であり,脳卒中生存者の5~10%前後に認められると報告されている.本報告では,2015 年に当院の行った脳卒中診療施設(189 施設)におけるアンケート調査を通し,脳卒中後てんかんについての概説および診断,治療に関する現状やエビデンス,今後の課題について述べる.