脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
脳卒中後のうつ状態の経時的変動と局所脳血流量
山口 修平小林 祥泰岡田 和悟有元 佐多雄山下 一也
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 10 巻 3 号 p. 221-226

詳細
抄録
脳卒中後にうつ状態を呈した患者21例を対象に, うつ状態の経時的変動につき検討した.平均224日の評価期間中に, 10例が改善, 7例が不変, 4例が悪化を示したが, 改善度と性別, 年齢, 発症後期間, 平均血圧, 知的機能等の間に関連は認められなかった.皮質症状やパーキンソン症候群を認める例での改善は不良であり, ADLとうつ状態の改善は必ずしも平行しなかった.一方, 平均脳血流量の変化とZungのself-rating depression scaleの変化の間に有意の負の相関関係 (r=-0.77, p<0.001) を認め, さらに両側側頭葉前半部の血流変化と強い負相関を認めた.以上より, 脳卒中後のうつ状態が局所脳機能障害と直接関連している可能性が考えられた.
著者関連情報
© 一般社団法人 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top