脳卒中
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術後早期の運動機能回復例よりみた高血圧性脳内出血に対する血腫吸引除去術の手術適応について
久門 良明榊 三郎畠山 隆雄河野 兼久中野 敬
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1992 年 14 巻 2 号 p. 152-158

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抄録

CT定位的血腫吸引除去術の施行により, どのような症例に術後早期の運動機能回復がみられるかを, 被殼出血65例・視床出血43例を対象として検討した.CT分類・神経学的重症度・転帰は脳卒中の外科研究会の分類に従った.機能回復の判定は, 麻痺肢筋力を6 (0~5) 段階で評価し, 術前に比して術後1週目に, 2段階以上回復した例を著明改善とした
.その結果, (1) 年齢は視床出血では70歳未満, (2) 神経学的重症度は被殼出血III・視床出血IIまで, (3) CT分類は被殼出血IIIa・視床出血IIaまで, (4) 血腫量は被殻出血60ml未満・視床出血20ml未満の例であれば, 著明な改善が得られ, 良好な転帰に至ることがわかった.これら著明改善例では, SEPのN20成分が術前術後とも認められるか, または術前認められなくても術後早期に出現した.また123I-IMP SPECTによる脳血流でも術後早期に改善がみられた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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