抄録
ラット脳虚血実験モデルにおいてbasic fibroblast growth factor (bFGF) の投与が脳梗塞巣の縮小効果を有するか否かを検討した.Sprague-Dawleyラットの左中大脳動脈を閉塞後, 左総頸動脈よりbFGFを100ng投与した.薬剤投与24時間後に脳を摘出し塩化トリフェニルテトラゾリウムを用いて梗塞巣を測定した.bFGF治療群の梗塞巣は, 生理食塩水を投与した対照群に比較し, 有意に縮小していた (unpaired Student's t test, p<0.05).以上の結果から動脈内に投与したbFGFは, 脳梗塞巣を縮小させうることが示唆された.