抄録
高血圧性皮質下脳出血の14症例を対象として, 脳血流の変化を術前後および慢性期に測定し, 転帰や血腫量との関連を検討した.全14症例は, 発症4日以内に血腫除去が施行された.術前の脳血流量は, 血腫および非血腫側ともに血腫量の増大に対して負の相関を認めて, 減少していた.一方, acetazolamide負荷後の脳血流の増加率は, 血腫量との相関を認めなかった.術後および慢性期では, 脳血流は血腫および非血腫側ともに血腫量および転帰に拘わらず増加を認めた.以上, 脳血流の面から, 高血圧性皮質下脳出血の治療を検討した.