抄録
腹部分枝再建をともなう胸腹部大動脈置換を行い良好な術後経過をたどった血管ベーチェット病症例を経験したので報告する.症例は47歳の女性.45歳時よりベーチェット病と診断され,ステロイド治療を受けていた.激しい背部痛,心窩部痛を認め腹部CTにて横隔膜直下より腎動脈分岐部にかけての大動脈背側に 4.5 × 3 × 7cmの嚢状瘤を認めた.本例に対し第 8 肋間開胸および後腹膜アプローチにて常温部分体外循環下に左右腎動脈,上腸間膜動脈,腹腔動脈再建をともなう胸腹部大動脈置換を行った.術後第28病日に退院となり,その後 3 年 8 カ月の観察期間において,他部位の動脈瘤形成,吻合部瘤形成,グラフト閉塞は認めず,またステロイド剤も中止となり良好な経過をたどっている.