抄録
症例は78歳,男性.2 カ月前に最大径69mmの腹部大動脈瘤と最大径40mmの両側総腸骨動脈瘤に対し,Y型人工血管置換術を受けた.1 カ月ほど前から発熱と全身倦怠感が認められたが,解熱鎮痛剤を内服しつつ外来通院していた.しかし,腹部膨満,左下腹部痛も出現したため精査・加療目的で入院となった.入院後16日目のCTで,人工血管周囲に貯留した液体の中にガス像が出現したため,人工血管感染が強く疑われ,右腋窩—両大腿動脈バイパス,感染人工血管除去,腹部大動脈縫合閉鎖手術を行い,人工血管除去後のスペースにドレーンを留置した.手術後に行った同ドレーンからの造影検査でS状結腸への瘻孔が確認され,CT所見および臨床経過から二次性aortoenteric fistula(AEF)が人工血管感染の原因と考えられた.その後の術後経過は順調であり,AEFによる人工血管感染に対し,感染人工血管除去,extraanatomic bypassは有用な方法と考えられた.