日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
消化器症状にて発症した腹部大動脈瘤左総腸骨静脈瘻に対し緊急人工血管置換術を施行した1治験例
伊藤 雄二郎中村 喜次清家 愛幹道本 智田鎖 治渋谷 祐子
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キーワード: 動脈瘤破裂, 動静脈瘻
ジャーナル オープンアクセス

2010 年 19 巻 6 号 p. 701-705

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抄録
今回消化器症状で発症した腹部大動脈瘤左総腸骨静脈瘻を造影CTにて診断し緊急人工血管置換術を施行,良好な術後経過を得た症例を経験した.症例は78歳男性.突然の嘔吐,下痢,左下肢痛にて内科を受診し,血液生化学検査では,腎機能障害,肝機能障害,クレアチニンキナーゼの上昇を認めた.単純CTで腹部大動脈瘤を認めたが,腹部大動脈瘤に破裂所見はなかったため全身状態の改善を優先し内科的治療を行った.その後,全身状態が増悪したため造影CTを施行,腹部大動脈瘤から左総腸骨静脈への短絡を認めたため,腹部大動脈瘤左総腸骨静脈瘻と診断し,緊急分岐型人工血管置換術を施行した.術後経過は良好であった.腹部大動脈瘤左総腸骨静脈瘻は頻度の高いものではないが,発症すれば急速に病態の悪化がみられるため常に可能性を念頭において検査を行う必要があると考えられた.
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