日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
急性大動脈解離を合併して破裂を来した巨大腹部大動脈瘤の1手術例
木内 竜太斉藤 裕
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ジャーナル オープンアクセス

2011 年 20 巻 3 号 p. 687-690

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抄録

症例は突然の左腰部の激痛にて来院した65歳の男性で,腹部CT検査にて最大径7.6 cmの腎動脈下腹部大動脈瘤に合併した急性大動脈解離の破裂所見を認めた.以前より存在した腹部大動脈瘤内にentryをもつ急性大動脈解離を発症し,それが破裂したものと診断し,同日緊急手術となった.破裂部位は瘤左側壁の比較的中枢側に存在した.また瘤を切開すると,同部位の瘤内の解離した内膜に1 cmのentryが存在した.脆弱な瘤壁が解離し,外膜の破綻を来したものと考えられた.解離は大動脈中枢側離断端まで及んでいたため,帯フェルトにて補強のうえ,Y字型人工血管にて置換した.術後は問題なく経過し,術後21病日に退院した.

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