2012 年 21 巻 2 号 p. 145-148
症例は83歳,男性.約50 mの間欠性跛行と右下肢の安静時痛を認め,下肢血管造影にて右総腸骨動脈~浅大腿動脈末梢~下腿3分枝以下まで完全閉塞,左総腸骨動脈75%狭窄,左浅大腿動脈99%狭窄を認めた.入院時,RBC 761万/μL,Hb 17.1 g/dl,Ht 56.1%,WBC 13730/μL,PLT 115.7万/μLと多血症を認めた.平成21年11月にハイブリッド下肢血行再建術を行った.局所麻酔下に左総腸骨動脈と左浅大腿動脈に対し血管内治療を行い,同日全身麻酔下に左総大腿動脈-右大腿深動脈バイパス術を行った.左浅大腿動脈に対する下肢カテーテル治療の際に,末梢への血栓形成を認め,カテーテル的血栓吸引により改善した.術後下肢造影CT上ステントおよび人工血管は良好に開存し,症状の改善を認めた.多血症を合併した高齢者下肢末梢血管複合病変に対し,ハイブリッド下肢血行再建術を行い良好な結果を得た.