日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
妊娠30週目に急性A型大動脈解離を発症した不全型Marfan症候群の1例
三島 秀樹片山 康石川 進黒木 識敬林 瑞成梅北 信孝
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2013 年 22 巻 1 号 p. 21-24

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抄録
要  旨:症例は30歳,女性,妊娠30週.歩行中に突然の呼吸困難,胸痛が出現した.当院救命センターに緊急入院し,急性大動脈解離と診断された.母親がMarfan症候群の診断を受け,大動脈解離で死亡しており遺伝的素因から本症例もMarfan症候群が疑われた.入院時に心不全を伴う大動脈弁閉鎖不全があり,可及的早期の心大血管修復が必要と考えられた.しかし,人工心肺時のへパリン投与による子宮・胎盤剝離面からの大量出血の危険性を考慮して,緊急で帝王切開・子宮全摘術を施行した.翌日に,上行大動脈人工血管置換術を2期的に施行した.母子ともに術後経過は良好であった.
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