日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
Angioseal® の使用後に下肢虚血症状が増悪した閉塞性動脈硬化症の1 例
橋本 昌紀小林 美里泉本 浩史
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2014 年 23 巻 1 号 p. 79-82

詳細
抄録
要旨:閉塞性動脈硬化症のカテーテル治療後の止血に使用された止血デバイス(Angioseal®)のために,総大腿動脈の狭窄を来し,下肢虚血症状を来した症例を経験したので報告する.症例は76 歳,男性.経皮的血管形成術後に急速に悪化した間欠性跛行のために当科を受診し,精査の結果,大腿動脈穿刺部の止血デバイス留置部に一致した狭窄の進行を認めた.止血デバイスの血管内のアンカーが原因と考え,手術を施行した.血管背面に著明な偏心性の硬化病変を認め,内腔がアンカーに起因すると思われる物質で狭窄していた.血栓内膜摘除・パッチ形成を行い,虚血症状は改善した.
著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事
feedback
Top