2018 年 27 巻 1 号 p. 61-64
【目的】EVAR後エンドリークにより瘤径増大した症例への開腹手術(Late Open Conversion: LOC)の術式を検討する.【方法】2007年1月から2017年8月までAAAに対するEVARを185例施行し,エンドリークによりLOCを要した6例(3.2%)の術式を検討した.【結果】6例中3例(Type Ia 1例,Type II 1例,Type Ia+II 1例)にステントグラフト(SG)全抜去+Y型人工血管置換術を施行した.残りの3例はSG温存し,Type Ia 1例に中枢ネック大動脈のbanding,Type II 1例に下腸間膜動脈結紮,Type V 1例にSGへのfibrin製剤散布+瘤縫縮を行った.手術時間,出血量,術後在院日数でSG温存手術が優れていた.【結論】SG全抜去手術は早期成績不良であるため,低侵襲なSG温存手術はLOCにおいて妥当な選択肢と考える.