日本血管外科学会雑誌
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Print ISSN : 0918-6778
症例
腹部大動脈をアクセスルートに選択した緊急TEVARの2例
榊原 賢士中島 博之白岩 聡本田 義博葛 仁猛加賀 重亜喜
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2018 年 27 巻 6 号 p. 477-480

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抄録

胸部ステントグラフト内挿術(TEVAR: Thoracic Endovascular Aortic Repair)は,侵襲度の低さから,リスクが高い症例に対して積極的に行われるようになった.通常TEVARのアクセスルートは大腿動脈が使用され,比較的口径の大きいシースを挿入する必要がある.今回,動脈硬化性変化が高度のため大腿動脈をアクセスルートとして使用できず,腹部大動脈をアクセスルートとせざるをえなかった緊急TEVARの2例を経験したので報告する.症例1: 86歳女性,大動脈食道瘻の患者.腹部大動脈は著しく蛇行しており,両側総腸骨動脈径は細く大腿動脈からのアプローチは困難,腹部大動脈をアクセスルートとした.症例2: 89歳男性,胸部大動脈瘤破裂の症例.右大腿動脈からアプローチしたが屈曲,外腸骨動脈の狭窄が強く22 Frシースが通過しないため,腹部大動脈へアクセスルートを変更した.腹部大動脈をアクセスルートとする方法は,緊急手術であっても比較的容易にアプローチできるため,他のアクセスルートが選択できない場合,有用な方法と考えられた.

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