日本血管外科学会雑誌
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Print ISSN : 0918-6778
症例
腹部大動脈瘤術後に意識障害を呈した不完全型ベーチェット病の一治験例
千葉 清 北 翔太鈴木 寛俊桜井 祐加小野 裕國宮入 剛
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 28 巻 1 号 p. 53-56

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抄録

症例は57歳男性.1カ月前からの腰痛精査にて見つかった腎動脈直下の囊状瘤があり精査目的にて入院した.不全型ベーチェット病にて眼科通院歴があり,軽度のCRP上昇1.1 mg/dLを認めたことからPETを施行した.明らかな異常集積を認めず,待機的手術を行った.開腹下片側腎動脈上遮断で人工血管置換術施行した.術後5日目から発熱と口腔内アフタが再燃.術後7日目に突然の意識障害が出現し,緊急MRI施行した.急性型神経型ベーチェット病の診断でステロイドパルス療法と免疫抑制剤を行い,軽快退院した.術後2年,合併症なく経過中である.

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