2020 年 29 巻 4 号 p. 219-223
破裂性腹部大動脈瘤術後abdominal compartment syndrome(ACS)に対してABTHERA治療システムが有効であった1例を経験したので若干の文献的考察を含めて報告する.症例は71歳男性.腹痛にて救急搬送され,単純CTにて破裂性腹部大動脈瘤と診断された.緊急EVAR施行した術後にACS発症し,開腹減圧術と腹部Negative Pressure Wound Therapy(NPWT)の1方法であるABTHERA治療システムを施行した.本システムは,腸管浮腫・浸出液の管理,腸管色調観察・閉腹手技が容易であった.