日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
犬咬傷による上腕動脈解離の1例
石田 敦久 森田 一郎磯田 竜太郎間野 正之
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2021 年 30 巻 3 号 p. 179-182

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抄録

犬咬傷における稀な上腕動脈の解離による急性動脈閉塞症の1例を経験したので,若干の文献的考察を含めて報告する.症例は86歳女性.飼い犬に左上肢を咬まれ受傷.左上肢腫脹としびれ感を主訴に受診.橈骨動脈拍動触知できず,血管損傷が疑われた.皮膚に明らかな創は認めなかった.造影CTにて上腕動脈の限局性閉塞を認めた.上腕動脈の色調変化部位を切除し,自家静脈グラフト置換術を施行した.切除標本で動脈解離所見を認めた.術後1年間は抗凝固療法,以降は抗血小板製剤内服で術後8年間経過良好である.

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