2023 年 32 巻 1 号 p. 13-18
【目的】亜急性期preemptive TEVAR(PTEVAR)の成績と瘤径変化関連因子について考察した.【方法】対象は38例,TEVAR 1年後の瘤径縮小S群32例と瘤径拡大N群6例に分け,術前および術後因子,CT評価(Parsa分類)について検討した.【結果】統計学的有意な瘤径変化に関与する因子はS群で術前re-entryなし,術後6カ月以内の偽腔消失,Parsa分類3,N群で術前の腸骨領域re-entry,偽腔全開存,中枢landingがzone 2,術後type Ia EL,type V EL,Parsa分類0であった.追加治療に関して,N群では中枢側に2例,S群では末梢側に1例,さらにre-entry閉鎖を要した症例を各々に1例認めた.【結論】亜急性期PTEVARは有効であったが,広範囲な解離,zone 2 landing,広範囲偽腔残存例では,瘤径が縮小しない傾向にあった.