2013年以降,日本血管外科学会は,我が国の血管外科医により行われている重症下肢虚血(critical limb ischemia; CLI)診療の現状を明らかにし,その結果を現場の医師に還元することで,医療の質の向上に貢献することを目的として,全国規模のCLI登録・追跡データベース事業を開始した.このデータベースは,非手術例も含むCLI患者の背景,治療内容,早期予後,および治療後5年までの遠隔期予後を登録するもので,JAPAN Critical Limb Ischemia Database(JCLIMB)と呼称し,NCD上に設置されている.2020年は85施設が1299肢(男性890肢:69%,女性409肢)のCLIを登録し,うちASOが1280肢(男性880肢:69%,女性400肢)で,全体の99%を占めた.この年次報告書では,登録肢の背景,虚血肢状態,治療,治療後早期(1カ月)の予後を集計し報告する.