2024 年 33 巻 3 号 p. 137-141
【目的】当院におけるLeriche症候群に対する血管内治療(EVT)の治療成績を明らかにすること.【方法】2001年から2022年に血行再建術を行ったLeriche症候群32例57肢を対象に開存率や術後合併症等を検討した.【結果】EVT群は20例33肢,外科手術(OS群)は12例24肢であり,EVT群の初回手技成功率は85%(18/21)であった.術後ABIはEVT群0.86±0.18, OS群0.86±0.20で両群間に有意差はなく,EVT群で合併症を認めなかった.Fontaine IV度症例を除く術後平均在院日数はEVT群で有意に短く(9±5日vs 18±7日,p=0.0016),術後5年間の累積開存率は両群間に有意差を認めなかった.【結論】Leriche症候群に対するEVTは合併症なく在院日数を短縮可能であり,外科手術と同等の治療効果が期待できる.