2024 年 33 巻 3 号 p. 149-153
症例は81歳男性,間質性肺炎で在宅酸素療法をしておりステロイドを内服していた.またBMI 15.6と著明なるい痩を認めた.嗄声精査のためのCTで最大径70 mmの弓部大動脈囊状瘤を認め当科に紹介となった.TEVARを選択する場合2 debranchが必要な症例だったが,るい痩が著明で前胸部に人工血管を挿入すると,将来的な圧迫による潰瘍,人工血管感染などが危惧された.そのためperiscope sandwich法を用いた1 debranch TEVARとすることで,前胸部の人工血管挿入を回避することができた.本法の長期成績は不明だが,既存のデバイスのみで可能であり,緊急時にも使用できる有用な選択肢の治療と考えられた.