日本血管外科学会雑誌
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Print ISSN : 0918-6778
症例
左椎骨動脈大動脈起始に対し左椎骨動脈再建を伴うdebranching TEVARを施行した3例の検討
西本 幸弘 森崎 晃正左近 慶人高橋 洋介柴田 利彦
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2024 年 33 巻 3 号 p. 155-160

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抄録

左椎骨動脈大動脈起始(ILVA)は弓部分枝で多い破格であるが,debranching TEVARで再建した報告は少ない.今回ILVAを伴う弓部大動脈疾患を3例認め,症例1は66歳女性,症例2は29歳女性.いずれも大動脈峡部の損傷に対し,左総頸動脈(LCCA)–左鎖骨下動脈(LSCA)バイパス,ILVAをLCCAに直接吻合し,症例1では1-debranching TEVAR, 症例2では1-fenestrated, 1-debranching TEVARを行った.症例3は80歳男性.遠位弓部囊状瘤に対し,LCCA–LSCAバイパス,1-debrancing TEVARを行った.ILVAは距離が不足し,大伏在静脈で延長した.これら3例に術後明らかな神経学的合併症を認めなかった.ILVAは比較的容易に再建でき,良好な結果を得ることができた.

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