日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
Superficial Radial Arteryを橈側皮静脈と誤認し,ジアゼパムが動脈注射された1例
小林 由幸 角田 翔小島 貴弘橋山 直樹輕部 義久齋藤 綾
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2024 年 33 巻 4 号 p. 179-183

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抄録

橈骨動脈にsuperficial radial arteryと呼ばれる走行異常がある場合,前腕部の橈側皮静脈と近接していることがあるが,薬剤によっては誤って動脈注射すると壊死をきたすものもあるため注意が必要である.症例は81歳,女性.近医で上部消化管内視鏡検査を行った際,左手関節付近にジアゼパムが注射された.直後より手関節から第一~三指の腫脹・疼痛・冷感が出現.第7病日,精査加療目的に当院紹介となった.エコーおよび造影CT画像で,橈骨動脈は解剖学的かぎたばこ入れより表層を走行しており,superficial radial arteryであることが確認された.橈側皮静脈と誤認されジアゼパムが動脈注射されたことにより,血流障害をきたしていると判断.連日プロスタグランジン製剤を点滴静注したが,第18病日に潰瘍化が懸念されたため高気圧酸素治療を開始.1カ月後には上皮化が得られ,後遺症はなかった.

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