水環境学会誌
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原著論文
小笠原諸島の水道原水中の溶存有機物の特性と浄水場における特性変化
栃本 博小杉 有希鈴木 俊也保坂 三継中江 大
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2014 年 37 巻 3 号 p. 79-90

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抄録
小笠原諸島の水道原水,貯水池水,沢水及び浄水場の処理水の溶存有機物(DOM)を親水性画分,疎水性酸及び疎水性中性物質に分画した。父島と母島の沢水,貯水池水及び水道原水中のDOMは,疎水性酸と親水性画分が主成分であった。総トリハロメタン生成能(TTHMFP)とそれに対する分画の寄与率は,DOMとその分画の割合とほぼ一致した。総ハロ酢酸生成能(THAAFP)への疎水性酸の寄与率は,TTHMFPへのその寄与率より高かった。父島の活性炭・凝集沈殿処理水と母島の凝集沈殿処理水のTTHMFP及びTHAAFPに対するDOMの各分画の割合または寄与率は,すべて親水性画分が最も高かった。原水中DOMの親水性物質の除去に有効な浄水処理法の採用により,処理水中のDOMを減少させ,浄水中の消毒副生成物のさらなる低減化が可能と考えられた。沢水と原水の主なDOMの重量平均分子量は,ともに1220~1390 g·mol-1と推定され,原水のDOMは貯水池に流入する沢水のDOMに由来することが明らかとなった。処理水のDOMの重量平均分子量は,630~970 g·mol-1であり,浄水処理によって低分子化していることが推定された。
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© 2014 公益社団法人 日本水環境学会
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