水環境学会誌
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技術論文
ろ床の重層化が多段型人工湿地の下水浄化性能に及ぼす影響
鈴木 援谷口 崇至中野 和典
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2021 年 44 巻 4 号 p. 85-93

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抄録

本研究では, 下水処理場内に設置したパイロットスケールの多段型人工湿地の重層化ろ床及び非重層化ろ床の処理水質を比較し, ろ床の重層化の影響を検証した。鉛直流条件では, ろ床の重層化はBODやNH4+-Nの除去などの好気処理性能に影響せず, 非重層化ろ床と同等に機能するが, 鉛直流と水平流を組み合わせたハイブリッド条件では, 重層化ろ床は嫌気的になり易く, 好気処理性能が低下することが明らかとなった。さらに, 重層化ろ床に植物がないことによる影響が窒素除去性能の低下として現れることが明らかとなった。鉛直流条件では, ろ床の重層化によりBOD及びリンの除去原単位を1.5倍程度改善できたが, 窒素の除去原単位を改善することはできなかった。本人工湿地による下水処理におけるエネルギー消費原単位は0.32 kWh m-3と極めて低く, 無曝気で好気処理が行える人工湿地が下水道事業の脱炭素化に非常に有効であることが示された。

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© 2021 公益社団法人 日本水環境学会
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