抄録
日本での報告例は少ないが米国などの報告によると都市廃棄物埋立処分場の浸出水や近隣の地下水で揮発性,非イオン性有機化学物質が検出されている。ところが,都市廃棄物埋立処分場におけるこれらの物質に対する研究は少ない。本研究では揮発性,非イオン性有機化合物の一つとしてトリクロロエチレン(TCE)を対象として,TCEの水-固形廃棄物間の分配係数を水中濃度分析法と最近Garbariniらが提案しているヘッドスペース分析法で求め,比較してみた。その結果,固形廃棄物に対してもほとんど彼らの結論と一致している。すなわち,上に述べた2つの方法によりそれぞれ求めた分配係数(Kp)はほぼ一致しているのでヘンリー定数が確認されていればヘッドスペース分析法の方がより簡便である。実験データの処理において良い直線的相関関係をもつため安定なKp値が求められる。特に,Kp値の小さい場合には水中濃度分析法に比べ比較的安定なKp値が求められる。