抄録
少子高齢化社会を迎えて労働力の減少が避けられない現在,女性労働者をとりまく環境を整えることは,これまで以上に産業医の重要な課題となっていくと考えられる.母性保護の管理を推進していくために必要な法律として把握しておくべき法律に,労働基準法,女性労働基準規則,男女雇用機会均等法がある.女性の社会進出が多方面に広がったことを受け,平成24年に行われた女性労働基準規則の改正では有害物の発散する場所で働く女性労働者を曝露から保護するために,近年の新たな知見に対応した有害物の選定や規制濃度の見なおしを行った.本稿では,母性保護管理の措置に関与する男女雇用機会均等法,労働基準法における母性保護規定並びに女性労働基準規則について簡単に述べ,最後に平成24年に行われた女性労働基準規則改正の詳細について述べる.