抄録
アルツハイマー病をはじめとする認知症患者の特徴である記憶障害は,本人にとって困難感を伴うだけでなく日常生活上に様々な影響をもたらす。また高齢になるとそれまでの身体能力に衰えが加わり,その日常生活に変化がみられることが指摘されている。今回,認知症を持つ高齢者において,日常生活している居住空間にはどのような特徴がみられるのか,また認知症を持つ高齢者と持たない高齢者においてどのような点で相違があるのかを明らかにするために,認知症を持つ高齢者とそうでない高齢者のあわせて12例の事例を調査し検討した。これらの調査結果により,認知症の住環境には家族の協力をはじめ,生活支援サービスが重要であることが示唆された。