日本獣医師会雑誌
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獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
本邦で市販される愛玩鳥の餌における真菌汚染の状況
オブライエン 悠木子渡辺 麻衣子池内 隼佑TRAN Vu LinhBUI Thi Hien林谷 秀樹
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2023 年 76 巻 3 号 p. e51-e54

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抄録

愛玩動物用飼料の安全性はペットの健康のみならず,人の健康にも影響を及ぼす.平成21年に「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)が施行され,犬猫の餌は一定の安全性が担保された一方,愛玩鳥の餌は同法の範疇外であり,微生物や化学物質汚染の実態は調べられていない.本研究では,愛玩鳥の餌を汚染する可能性のある微生物のうち,特に真菌に焦点を当て分離・同定を行った.その結果,愛玩鳥の餌72検体のうち58検体(80.6%)から真菌が分離された.また,分離された真菌182菌株中157菌株が同定され,Aspergillus 属の真菌が最も多く89菌株(56.7%)であった.愛玩鳥の餌は海外からの輸入が多く,亜熱帯・熱帯由来のAspergillus はカビ毒産生株,特にアフラトキシン産生性が高い菌株が多いことから,今後分離株のカビ毒産生性を調べる必要がある.

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