抄録
泌乳牛32頭を供試し, 飼料給与状況と乳中尿素態窒素 (MUN) および乳蛋白質率との関係を月1回調査し, 適正給与状態にある個体のMUNと乳蛋白質率から栄養診断のための指標値を設定した. MUNは給与飼料乾物中の粗蛋白質 (CP) 含量および可消化養分 (TDN) 含量とは有意な正の相関, TDN充足率とTDN/CP比とは有意な負の相関を示した. 一方, 乳蛋白質率は, これらの項目との間にMUNとは逆の相関が認められた. MUNと乳蛋白質率は飼料給与状況と密接に関連しており, 栄養診断に利用できると判断された. その指標値は, 泌乳前期 (分娩後100日以下) ではMUNが8.6~19.2mg/dl, 乳蛋白質率が2.80~3.31%, 中期 (101~200日) ではそれぞれ8.6~16.7mg/dl, 3.09~3.53%, 後期 (201日以上) では6.1~12.5mg/dl, 3.35~3.91%となった.