Journal of Veterinary Medical Science
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日本における豚の生殖器・呼吸器症候群の発生
桑原 博義布谷 鉄夫田島 正典加藤 篤鮫島 都郷
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1994 年 56 巻 5 号 p. 901-909

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抄録

離乳期の子豚に発生した新しい豚病を検索した. 本病は臨床的に元気消失, 発熱,削痩, 発咳などとともに高度な腹式呼吸を特徴とするため俗にヘコヘコ病と呼ばれている. 罹患子豚に共通した病変はび慢性のII型肺胞上皮細胞の増殖を伴った間質性肺炎, 髄膜脳炎, リンパ組織の萎縮などであった. 罹患子豚の諸器官から初代豚肺細胞培養(PLC)に原因ウイルスが分離され, 血清学的に豚生殖器・呼吸器症候群(Lelystad)ウイルスと同定された. 直径約49nmの多数のウイルス粒子が, 分離ウイルスを感染させたPLC培養の肺胞上皮細胞と肺マクロファージの細胞質に検出された. 本病は分離ウイルスをコンベンショナルの子豚に鼻腔内接種することにより再現された.

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