抄録
慢性皮膚疾患に感染した51頭の犬に対して, 34種の抗原を用いて, 皮内反応テストを実施した結果, 4例がスギ花粉抗原に陽性反応を示した. この4例は, Prausnitz-Kustnerテストが陽性で, スギ花粉に対する特異IgE抗体を持っていることが示された. さらに, スギ花粉の素抗原を鼻腔内に滴下し, 臨床観察を行ったところ3例中2例で鼻汁の漏出を認めた. 以上の結果から, これらの大はスギ花粉に対する過敏性と診断され, スギ花粉は犬のアトピー性疾患の原因の一つであることが明らかにされた.