抄録
ビタミンD3(VD3)投与が甲状腺C細胞およびCa代謝に及ぼす影響を非妊娠期, 妊娠中期および妊娠末期のラットを用いて検討した. 投与後3日目の非妊娠期および各妊娠期における甲状腺C細胞1個の平均面積は, VD3投与群が対照群に比べ有意に増加した(P<0.01). 一方, 血漿Ca濃度は, 非妊娠期および妊娠末期にはVD3投与群が対照群に比べ有意の低値を示し(P<0.05), 妊娠中期においても低下する傾向にあった. 以上の結果から, VD3の投与は非妊娠および妊娠を問わず甲状腺C細胞を刺激し, 血漿Ca濃度を低下させるものと推測された.