可視化情報学会誌
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ペタスケール計算機による自動車の次世代空力シミュレーション
坪倉 誠中島 卓司
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2012 年 32 巻 127 号 p. 22-27

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抄録
  ソフトウェアとハードウェアの両面で著しい発展を遂げたCFDは,かつて風洞が担っていた自動車の空力開発における多くの実験プロセスの代替となった.しかしながら,その設計開発プロセス自体は旧来の風洞主体のものから大きく変わるものではない.そこで我々の研究グループでは,非定常三次元乱流場のCFD解析に基づき,流れの物理メカニズムの解明や実走行時の空力特性の把握を可能にする新たな自動車用の熱・空力設計システムの開発を進め,プロセスイノベーションの実現を目指している.
  本稿では,同システムの基盤となる次世代非定常空力シミュレータを用いた車両運動に対して空力減衰を生じるメカニズムの解明と強横風時の車両運動と空力の連成現象について解析事例を紹介する.さらに,次世代スパコン「京」をはじめとするペタスケール計算機上で実現を目指す設計システムのコンセプト,ターゲット,ならびに実現のための重要課題について述べる.
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© 2012 社団法人 可視化情報学会
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