日本暖地畜産学会報
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原著論文(一般論文)
ブルーベリー園におけるガチョウの除草利用
溝口 由子髙山 耕二水本 明男中西 良孝
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2012 年 55 巻 2 号 p. 129-133

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抄録

果樹園におけるガチョウの除草利用を図る上での基礎的知見を得ることを目的とし,ブルーベリー(Vaccinium ashei Reade) 園18aにガチョウ10羽(4~5ヵ月齢,平均体重2.6kg)を2009年9月から同年11月にかけて68日間放飼し,その除草効果について検討した.供試したブルーベリー園にはイネ科草本が多く存在しており,優占種はメヒシバ(Digitaria adscendens (H. B. K. ) Henr.)であった.放飼したガチョウはイネ科草本を他の植物種よりも選択的に採食する(P<0.01)ことが明らかになり,その一方でブルーベリーの樹皮・樹葉に対する採食は皆無であった.放飼終了時において,対照区(ガチョウ無放飼)とガチョウ放飼区との間で裸地率に差がみられなかったものの,放飼終了時におけるガチョウ区の植物現存量は対照区に比べ有意に低下した(P<0.01).以上より,ブルーベリー園におけるガチョウの放飼は,園内の下草管理に有効である可能性が示唆された.

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© 2012年 日本暖地畜産学会
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